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WordPressのカスタムフィールドの利用


WordPressのカスタムフィールドの利用は、その値をどのように使っていくかを先に考えねばならない。テキスト入力されたものは、後の振り分けが困難になるため、数値入力にすべき。

カスタムフィールドは入力方法ではなく「利用方法」から設計する


WordPressのカスタムフィールドは、単純に投稿に追加情報を登録するための機能ではない。重要なのは、そのデータをホームページ内でどのように利用し、どのように検索し、どのように表示し、将来的にどのような機能へ発展させるのかという設計思想である。

初心者が陥りやすい失敗は、「とりあえずカスタムフィールドを追加しておく」という考え方である。

例えば「価格」というカスタムフィールドを作り、自由入力にしてしまうケースがある。

すると、

「1000円」
「1,000円」
「税込1,000円」
「約1000円」
「1000」

など、担当者によって入力方法が変わる。

人間が見る分には問題がない。しかし、システムから見ると全て異なる文字列であり、「1000円以上の商品だけを表示する」といった条件検索は極めて困難になる。

つまり、カスタムフィールドは入力することが目的ではなく、データベースとして利用することが目的なのである。

文字列は後から整理できない


WordPressでは投稿数が数十件程度なら問題にならない。

しかし数百件、数千件というデータが蓄積すると、自由入力による表記ゆれは致命的になる。

例えば製造業の製品データベースでは、

・重量
・価格
・発売日
・在庫数
・耐荷重

など数値で管理すべき項目が数多く存在する。

これらを文字列で入力してしまうと、

「10kg」
「10kg」
「約10kg」
「10キロ」
「10」

など様々な表記が混在する。

後からSQLで並び替えようとしても正常に並ばず、検索条件も作れない。

結果としてデータベースとしての価値を失ってしまう。

数値は必ず数値として保存する


データベース設計の基本は、数値は数値として保存することである。

価格なら

1000

だけを保存する。

画面上で

1,000円

と表示したければ、PHP側で number_format() を利用すればよい。

つまり入力データと表示データは分けて考えるのである。

この考え方はWordPressだけではなく、業務システムやECサイト、基幹システムでも共通している。

入力値は加工しない。

表示時に加工する。

これがデータ設計の基本となる。

単位を保存しない設計


重量なら

50

だけを保存する。

「kg」は表示時に付与する。

価格なら

9800

だけ保存する。

「円」は表示時に追加する。

長さなら

250

だけ保存し、

「mm」

を表示側で付ける。

こうしておけば、

100以上

500以下

最大値

最小値

平均値

など様々な計算が可能になる。

一方、

「250mm」

という文字列では数値計算が非常に難しくなる。

日付も文字列ではなく日時として扱う


発売日や更新日なども自由入力では危険である。

例えば

2026/07/01

2026-07-01

2026年7月1日

令和8年7月1日

これらは人間には同じ日付に見える。

しかしシステムでは別の文字列となる。

そのため、

最新順

古い順

1か月以内

今年の商品

などの抽出が難しくなる。

WordPressには日付型を利用できるプラグインも存在するため、それらを利用した方が後々の管理が容易になる。

真偽値はチェックボックスを利用する


「おすすめ商品」

「新商品」

「キャンペーン対象」

などは、

はい

いいえ

を文字入力する必要はない。

チェックボックスで管理する方が確実である。

例えば

1

0

という値で保存しておけば、

おすすめ商品のみ表示

おすすめ以外を除外

などの検索条件を簡単に作成できる。

自由入力では


あり

Yes
対象

など担当者ごとに入力が変わる危険がある。

選択肢はプルダウン化する


メーカー名や地域名なども自由入力は避けたい。

例えば都道府県なら

京都府

京都

京都市

Kyoto

など表記が統一されなくなる。

最初からプルダウンにしておけば、

京都府

大阪府

滋賀県

奈良県

兵庫県

だけが入力できる。

これだけでデータ品質は飛躍的に向上する。

ラジオボタンも有効である


サイズ

S

M

L

LL

など固定された選択肢ならラジオボタンが適している。

入力ミスもなくなり、

検索機能や絞り込み機能も容易に構築できる。

将来の検索機能まで考えて設計する


カスタムフィールド設計では、「今必要だから作る」のではなく、「将来検索条件として使う可能性があるか」を考えることが重要である。

例えば不動産会社のホームページなら、

価格帯

土地面積

建物面積

築年数

駅から徒歩

駐車場台数

これらはすべて検索条件になる。

製造業なら、

材質

サイズ

重量

耐熱温度

耐荷重

メーカー

用途

などが検索対象になる。

医療機関なら、

診療科

診療時間

予約可否

駐車場

オンライン診療

などが考えられる。

つまりカスタムフィールドとは、検索システムの土台なのである。

カスタムタクソノミーとの役割分担


数値だけがカスタムフィールドではない。

カテゴリ分けに利用する項目は、カスタムタクソノミーの方が適している場合も多い。

例えば、

メーカー

地域

ブランド

診療科

サービス分類

商品ジャンル

などは何度も使われる共通情報である。

このようなものをカスタムフィールドで文字入力すると、同じ名称を何百回も入力することになる。

一文字でも違えば別データになるため、管理性は著しく低下する。

一方、カスタムタクソノミーなら登録済みの用語を選択するだけで済み、表記ゆれも発生しない。

さらに一覧ページやアーカイブページも自動生成できるため、SEOの観点からも大きな利点がある。

データベース設計という視点がWordPressには必要である


WordPressはCMSであると同時に、MySQLを利用したデータベースシステムでもある。

そのため、カスタムフィールドを設計する際には、Webデザインの知識だけではなく、データベース設計の考え方も欠かせない。

「どのような値を保存するか」ではなく、「その値を将来どのように活用するのか」という視点で設計することで、ホームページは単なる情報掲載の場から、検索・集計・比較・絞り込みが可能な高度な情報システムへと発展する。

WordPressのカスタムフィールドは入力欄を増やす機能ではない。情報を資産として蓄積し、再利用し、検索し、分析するための基盤である。この基本思想を理解して設計することが、長期運用に耐えうるホームページ制作において極めて重要なのである。

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